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JAPAN
La fille sur le pont 橋の上の娘
2006-03-13 Mon 00:55
パリの橋の上
ナイフ投げの曲芸師が
自殺志願者の娘をスカウトする
生きることを放棄した人間こそ
ナイフ投げの「的」として最適だから

前編がモノクロで展開する
とても奥行きを感じさせる作品

フランス映画が好きな理由
その一つはセリフ
そのセンスの良さ

曲芸師がこう言う
「僕は40過ぎのナイフ投げだ。
 だから、的になる人を橋で探す。
 人生を諦める気なら、ためしにやらないか?」
娘はこう言う
「あなたの手口なんかお見通しよ。
 橋の上で悲しそうにしている女は、
 すぐに落とせる?」
「やめてくれ。的と寝たことはない」
「あたしだって、おとぎばなしは信じない!」

そういって娘は橋の上から飛び降り
彼はその後を追う

救急隊員に助けられた二人
救急隊員は曲芸師にこう言う
「君が川から救ったのか?」
曲芸師はこう言う

「それが、よくわからない。お互いを助け合ったのかも・・・」

冒頭のこのシーンで
もう二人の関係が深く流れるように進んでいくのがわかる
決して多くを語らせない
けれどコトバ以上の行間を表現してしまう
ミニマムなセリフあってこそ

娘は自由を求めて家出し
男と関係を持っては捨てられる
自分自身を運のない女だと信じて疑わない

そんな彼女に曲芸師は
簡単な魔法をかけ続ける

3つある角砂糖 誰の前にある角砂糖にハエがとまると思う?
右と左 どちらのエレベーターが止まると思う?
右手と左手 どちらの手の中にネックレスがあると思う?

娘はいつもその選択に勝利する

そのときにちょっとだけ微笑む
バネッサ・パラディ演じる娘の
すきっ歯の
無邪気でほころんだ様な笑顔と

的になり
次々と投げつけられるナイフが
娘の肌すれすれのところをよけて突き刺さる
その緊張感と息を呑む瞬間の恐怖が
絶妙の対比となり印象的

ファンタジーではない大人の御伽噺のよう

ただ一つ
とてもリアルに感じるセリフがあった
曲芸師が娘に言うセリフ

「こんな話がある。
 昔、僕は通りの偶数側22番地にいた。
 向かいの部屋をよく眺めてた、幸運な人生だなと思いながら・・・。
 そこは日当たりもいいし、夜も大騒ぎだ。
 だが、実際そこは小さくて暗かったんだ。
 だから彼らも僕を羨んでた。
 つまり、運なんて見方によって違う」

間違いなく言えること
「運」は「出会い」によって変わる
そう思う作品だった

*********************

この作品で娘を演じているバネッサ・パラディ
かのジョニー・ディップとの間に子供をもうけ
シャネルのモデルもつとめている
輝きを失わない少女のような女性です
歌手としても活躍しています

曲芸師を演じているダニエル・オートゥイユ
フランスでは知らない人はいない名優で
私の大好きなエマニュエル・ベアールの旦那様だった時期もある俳優です

*********************
















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Felix et Lola フェリックスとローラ
2006-03-11 Sat 22:34
お気楽OLが苦手なOL仲間同士
交わす冗談
月曜の朝には必ず
「今日のキャラ設定はこれでいいかなぁ」(笑)
なんて

「今週はそれで」「今週はこれか」
そんな冗談でOLが始まる

良い意味で自己演出ができる女性は
まるで蓮の華のように
泥水の中であっても
何より美しく咲くだろう
そう信じている

嘘の自分
偽りの自分でやり過ごすのではなく
もう一つの自分
もう一つの自分の真実でもって
例え環境が嘘であっても 
自分自身の信念でもって信実を生きられる

自分の人生に足りないものは何か
と考えたとき
「ドラマチックな要素」「謎めいた何か」
それに違いないと思い 走り出す自己演出は
虚構に満ちて危うい

パトリス・ルコント監督の作品の中で
もっとも好きな作品は
以前紹介した「仕立て屋の恋」
それは初めて観た時の衝撃が強いからかもしれない
それを差し引くと
「フェリックスとローラ」

シャルロット・ゲンズブールが
ちょっと過剰気味のキツイお化粧で
謎めいた女性であり少女のような
危うい人物を演じている

シャルロット演じるローラの
どこからどこまでが真実で
どこからどこまでが本当の彼女の人生なのか
どこまでが!?

そんな余韻を胸に
映画館を出た後 親友と二人
ショットバーで語り明かした

挿入歌であまりにも印象的だった
オーティス・レディングの名バラード
「I've been loving you to long」

すぐにレンタル
聴いているうち
シャルロットが演じたローラについて
こう思うようになってきた
実は彼女はとても普通で
純粋で
世間知らずの
女性になりきれない なろうとしている 女の人なのでは
そんなふうに思えてきた

きっとそこに真実があって
日常がドラマチックだと思える人ほど
実はものすごく謎めいていて
毎日の人生を「仕掛けて」いるような気がした

女性は皆
ローラのような一面をどこかに持っている
「ドラマチックに謎めいて生きたい」
当たり前のことだけれど
それを題材にこんな映画を撮るなんて

ルコント監督はやっぱり
隙なく そつなく うまい監督
そんな気がした





 
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