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JAPAN
山の音
2006-04-16 Sun 22:45
原作は川端康成
学生時代夢中になって読んだ作家の一人

主人公は菊子という純粋で美しい女性
菊子は尾形修一という男性の家へ嫁ぎ
夫とその両親の世話をかいがいしく努める
子供ができないと圧力をかけられながらも
清く正しく笑顔を絶やさない

夫はそっけなく
妻は女性ではなくまるで子供だ、と言い切り
特別な愛情など持ち合わせていない
家庭を顧みる気持ちもなく
浮気をしてなおひょうひょうとしている

浮気相手の女性は菊子とは正反対のタイプ
色気のある美しい女性で かつ
手に職を持ち女友達と自立した共同生活を送っている

健気な菊子を絶え間なく気遣うのは
夫の父信吾
優しい眼差しといたわりの気持ちで日々彼女と接する

息子の不貞を詫びながらも
それでいて息子の不貞を正せない

現代人女性の目線で見ると
日々 夫の両親から同情の目でみられ
日々 嫁ぎ先の家事一切にあけくれ
それでも清く美しくいられる主人公への感情移入は難しい
また 夫の父親から必要以上に優しくされ
それによって抱く感謝の気持ちが
夫を突き放せない 断罪できない要素となっている点が
重苦しくて耐え難い

現代においても
女性が仕事を持ち
家庭と両立しながら家族とともに暮らしていくこと
また 女性が一人で暮らしていくことにも
まだまだ多くの問題があり
それは永遠のテーマのような気がする

つまりこの映画には
女性が抱える普遍的なテーマがたくさん隠されていて
主人公の女性がおかれている環境には共感できなくとも
主人公の女性が感じさせられる苦痛には十分共感できる

女性の立場とそこにある普遍的な問題
それがとてもリアルに感じられた

そして
川端康成が小説を書いた時代
そしてこの映画が公開された1950年代
当時の女性はどのような気持ちでこの作品を観たのだろうかと
その感想に興味を抱かずにいられない

近頃の映画では
主人公がよく死んでしまう
運命的な出会いをした二人のどちらかに
死という宿命が訪れ
引き裂かれてしまうような作品

「人生の残り時間をどう過ごすか」
というようなキャッチコピーが目に付く

山の音
という作品の終盤で
清楚可憐で従順だった菊子が
現代の女性でもあっと驚く強気な行動に出る
そしてその直後
意を決して家を出るのだ
その一連の行動を
夫修一とその母親は
「菊子はあれできついところがあるからね」と言ってのける

そのコトバの軽さとはうらはらに
菊子の覚悟は衝撃的なほど

ラストシーンで菊子は
お世話になった夫の父へ
感謝のコトバを告げる
決した意については多くを語らず内に秘めたままで

二人で見つめる広くひらかれた芝生の公園が
一人の女性の開かれた未来の象徴のような気がして
最後にはよかったと
思える不思議な作品だった

つまり
人生は生まれて始まったときから
「残された時間」を生き進んでいて
若くして死が近づいた時に気づく「人生の残り時間」とは別に
皆もう「残された時間を」生きている

菊子が広がる芝生の中に未来をみたとき
菊子の将来がどうなるのかなぁと楽しみな気がしたように
期限を切られた時から始まる
「人生の残り時間」の観念に酔っている場合ではなく
「残された時間」を目の前に楽しみだなぁと思うような観念に
シフトさせられたような気がしたのだ

主人公演じる原節子から出る美しい日本語
修一の妻と愛人 そのタイプの違う女性の生き方
そして一人の女性の決断の瞬間

女性が人生について考えさせられる作品だった


















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ELSKER DIG FOR EVIGT しあわせな孤独
2006-04-10 Mon 22:30
その時自分だったらどうするだろう?

そう問いかけられる映画に耐えられそうだったので
頑張って観賞

若いカップル
男性が不慮の事故で半身不随に
幸せは一転
絶望の暗闇に

そこへ加害者の女性と
その家族
医者である夫の人生が交差していく

韓国映画なら
さらなる悲しみのリフレイン
そして若いカップルは
もっと寄り添いあい
もっと力をあわせ
そこに介在する何かさえ蹴散らし
乗り越えていく過程を綿密に描くだろう

ハリウッド映画なら
悲しみの前の幸せを長く見せ
紆余曲折も派手に描き
その落差で一気に盛り上げる
感動的な音楽にのせて
最後はありえない復活劇で幕がおりる

日本映画なら
悲しみの描写は色や間でみせ
二人の悩み 思いやる気持ちが痛いほど伝わることだろう
第三者とて身勝手でなく
共感が得られる描き方で
最後は淡々と穏やかな幸せにたどり着いて終わるだろう

フランス映画なら
きっと主人公は若いカップルではなく
加害者の女性なのではないだろうか
そういう気がしてならない

これはデンマークの映画
結末は語らないけれど
これで想像してみてもらいたい

あなた
そしてあなたの彼
あなたの彼を車でひいた加害者の女性
その女性の夫
その女性の夫に魅かれてしまうあなた
そんなあなたに魅かれてしまった
加害者の夫







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