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2006-11-24 Fri 23:29
間違っても世を忍ぶ仮のOLが
平日の夜に この4時間の 全てにおいて 圧倒的な この作品を 観てはいけない でもいつか いつかのタイミングで 必ず観ることになると思っていた 監督 ルキノ・ビスコンティ 没後100年を記念し NHK BSが特集を組んでいる今こそ!? そのタイミングかと思い 観てしまった4時間 全てのカットに妥協なく 全てのカットが絵画的で 全ての空気感が本物 圧倒的な歴史のスケールと 19歳から死にいたる40歳までを 時の経過そのものを感じさせるほどに 演じきったヘルムート・バーガーの名演 叶わぬ恋の相手 エリザベートを エレガントに それでいて溌剌と ロミー・シュナイダーが魅惑的に演じている 実物の城 豪華な装飾 全編を流れるワーグナーの曲に 洗練された当時の衣装の数々 雪景色に黒のドレスを身にまとうロミーシュナイダーの 美しさを見るだけでも価値がある 美と音楽 退廃と狂気 藝術への絶え間ない情熱と届かぬ想いを携えた悲恋 狂気と錯乱 全てが揃った 圧倒的な世界 貴族であるルキノ・ビスコンティにしか 撮り得なかった作品 藝術に狂い 政治を放棄し 謎の死を遂げた若き王 実在の人物であるルートヴィヒのレッテルといえば こういう表現に終始するのかもしれない 劇中 ワーグナーに傾倒し目をかけるあまり 良識や常識を逸脱し 浪費を重ね 挙句 騙されてしまう哀れな若き王の姿に 純粋 を見る人もいれば 滑稽 を感じる人もいるだろう 政治を放棄し 藝術に国費をつぎ込み 酒に溺れ弱っていく青白い顔の王に 哀れみを感じつつも 情けをかけられない人もいるだろう いとこであるエリザベートへの愛を 叶わぬ悲恋と憂う人もいれば 幼くて浅はかな若者の恋愛と 一瞥できる人もいるだろう けれど私にとってこの 観終わった後の そこはかとなく湧いてくる深い哀しみは 心に与えられた鈍痛のように ずっしりと重くて深く 尾を引いて仕方ない 圧倒的な精神の気高さ 圧倒的な教養 圧倒的な美への執着 それらをまざまざと見せ付けられる4時間に 後悔は一切ない 本作の宣伝番組に出演していた 仮屋崎省吾氏が語っていた言葉を思い出す -何かに挫けそうになった時 この映画を必ず観るんです 妥協してはいけない 常に美に対して完璧を求めていかなければならない そう立ち戻るために そう思って頑張るために 観るんです- そんなようなことをおっしゃっていた 撮影中 制作会社が倒産に危機に追い込まれ 監督自身も病気で倒れながら完成した作品とのこと 本当のところ感想は今だ定まらない ただ一言 観てしまった・・・ そう思っている |
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2006-11-16 Thu 23:42
紛らわしいタイトル!?
決していかがわしい映画ではない 思いのほか王道を行く恋愛映画の名作だと思う 全編にはフランシス・レイの美しいメロディーが流れ 60年代でありながら サイケでもロリータでもないナタリー・ドロンのファッションは ことのほか上品 ほどよく 堅苦しくない上品さがあるその魅力的な容姿は 小悪魔風でありながらもすっきりとしていて 嫌味がない 物語はいたってシンプル 18歳の青年が 年上の美しい女性に恋をする ただし 彼女には恋人がいて 彼女は彼を愛している ただそれだけのストーリー けれどこの映画が名作だと思えるのは そこに哲学的問いかけが散りばめられているから それはとてもカジュアルに 簡単に 効果的に 冒頭のシーンは青年が受ける講義風景 「幸福とは何か?」 名のある偉大な哲学者達の名前が列挙され 彼らの哲学思想を元に 学生達がその問いかけに挑んでいる 青年は教授からのその問いかけに答えられない 恐らく その問いを自問したこともなく 恐らく その問いに答えを見出したこともなかったから その次のシーン 18歳の青年が 街角で立ち往生をしているランボルギーニ(高級車)と遭遇 運転手はさっき目についたばかりの 美しい女性 青年はここぞとばかりに車を運転し 彼女を助ける 彼女は有名なカーレーサーの愛人 けれど 彼は彼女に惹かれていく 私はこの映画を2回観ることになった 1回目はいつだったか テレビの深夜放送だったように思う ナタリー・ドロンといえば あのアラン・ドロンの元夫人 そんな安易な好奇心につられてチャンネルを合わせた そして物語の中盤 彼がスキー場へバカンスへ行く 時を同じくして彼女もそのスキー場へバカンスへ 二人は急接近!? そのあたりで何らかの事情があって TVを切った どうせありきたりの展開だろう・・・などと思いながら けれど 半年 一年 二年経過するうちに あのあと二人はどうなったのだろう!? と無性に気になりだした 何故そんなに気になってくるのかもわからず ずっとずっと気にしていた それをついに克服すべく DVD化されたことを知り早速観直すと 今度は何故あの時 途中で観るのをやめたのだろう?と無性に気になりだした その時の自分について 思いをめぐらせた そのときはきっと私もまだ 「幸福とは?」という問いについて 恐らく その問いを自問したこともなく 恐らく その問いに答えを見出したこともなかったのだろう どろどろした感もない 媚びた感じもない 古びた感じもなければ いやらしい感じもしない 最後のシーン 青年が降り出した雨をよけるため セーターを少しだけ頭にかぶり 窓越しの彼女を見上げた次の瞬間 パリの街に あえて濡れながらバイクで走り抜けるその物言わぬ姿が 彼が自分自身に何かを問い 答えを出さんとする瞬間のように見え 観終わった後 一つ ため息ともとれる深呼吸をしてしまった つくりこんでいるふうではない でも きっと こういう映画には賞味期限がないと思う |
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2006-11-12 Sun 22:17
原作者は「高慢と偏見」で有名な
ジェーン・オースティン 1775年イギリス生まれの女流作家 オースティンの長編は6作 大学でイギリス文学を学んだという人に出会うと たいてい 特に女性は オースティンの作品を読破していることが多い 作品のベースは平凡な田舎の出来事 テーマの範囲は非常に狭い 当時の階級社会の中で 女性の生き方を徹底的に描き 地位や階級だけに支配されない女性達の 人間性 普遍性や誠実な心を示し 現代女性の共感を得続けているように思う 原題のPERSUASIONを辞書でひくと 「説得」「確信」という意味が出てくる 小説の和訳も「説得」だったように記憶している それが映画になると・・・ 「待ち焦がれて」 内容をロマンチックに評していると思うものの 若干軽薄な気がしないでもない また映画自体がとても地味 日本人が良く見知る俳優さんは一人も出ておらず 実際 目をひく美男美女も登場しない 脚本も原作に忠実で NHKで放映されるドラマのような面持ち けれど原作の底力で とても面白いから不思議 オースティン作品の定番である美しい風景もお約束 少しでもよい階級の お金持ちの男性との縁組が全て という そんな時代背景もお約束 主人公の女性がきちんと自分自身の愛に生きる その姿勢も生き方もお約束 かしましい親族からの横槍 縁組に失敗した身内 悲恋に打ちひしがれ希望をなくしかけながらも 何事にも真摯に取り組む勤勉で心優しい主人公 これらもすべてオースティン作品の常連事項 ただ本作品の主人公アンは 聡明で真面目なところは共通しているが 内気で極端な控えめ と言う点で少し異色 19歳の時に恋に落ちた船乗りから 結婚の申し出を受けるが 家族と親族の反対により意思を通せず ずっとずっと 彼を思い続け 静かに 控えめに 勤勉勤労な生活を営んでいる 人のために尽力を尽くすことを厭わず 心優しい女性なのだ ある日 戦争が終わり 海軍から除隊した彼との思わぬ再会の日が訪れる 再会してからも引っ込み思案なアンは 彼との会話すらままならず ジェーンオースティンお得意の誤解劇が展開する この展開が大げさでないところがお気に入り 派手な音楽や あり得ない展開や仕掛けなどはなく 人の気持ちのすれ違いが 簡単なことを複雑にしてしまう よくある出来事が面白い 韓国映画になると 何人か死んでたり 悲劇と悲恋の繰り返し ハリウッド映画だと海軍の戦争シーンなんて まったく必要のないシーンが入っていそう。。。 親族の相関関係に時々ややこしくなって混乱しながら (誰が誰のいとこだったかわからなくなる瞬間あり。。。) 穏やかに流れるドキドキ感を胸に 幸せになっていく主人公の姿が 英国の田園風景とお屋敷を舞台にマッチし しっとりとしたハッピーエンドを迎える作品 *BBC制作のドラマのようです。私はCINEMA NOWで観ました 待ち焦がれて【字幕版】 ![]() |
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