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WELCOME 君を想って海をゆく
2012-02-10 Fri 21:30

切ない を描かせたら
それを丁寧かつ淡々と 
そして最後の余韻として心深くにまで提供する
フィリップ・リオレはそんな監督

「マドモアゼル」と「灯台守の恋」は恋愛の切ない形として
「パリ空港の人々」と本作は国が抱える移民の問題を浮き彫りにしながら
そこに交わる人々の切なさ 
やりきれなさ 純粋さを見事に表現している

フランスからイギリスへ


▼続きは追伸をご覧ください▼
バスなら10時間ほどか 
列車ならパリからでも3時間ほど カレーからだと1時間
フェリーなら・・・
パスポートさえあれば距離にしてたったそれだけのこと
ただ
イギリスに移住した恋人に会うため
イラクから4000キロを歩いてフランスへやってきた難民のビラルにとっては
それは果てしないまでの距離
ビラル同様に目的はどうあれ港町カレーには難民が溢れ
危険な密入国を企てている
トラックに潜り込み 検閲時にはビニール袋をかぶって二酸化炭素を検知されないよう身をひそめる

失敗したビラルはドーバー海峡を泳いで渡ることを決意
プールに通い始める
泳ぎ方は知らない でも とにかく泳ぐしかない
海を渡って彼女に会いたい その一心で
彼はひたすら泳ぎを重ねる

プールにはシモンというコーチがいた
彼はかつてのメダリストだが 今は一般市民の指導を生業としている
私生活では妻との離婚がまさに成立するところで
喪失感に苛まれ情熱を失い ただ漫然と繰り返す日常

ビラルはシモンにレッスンを依頼する
2回分 なけなしのお金を払ってのことだった
ビラルの情熱から察したシモンは忠告する
海峡は渡れない 極寒の激しい波が絶え間ない海をどうしたって泳ぎきれない
装備もない 実力もない君には無理なことだ と

ビラルはそれでも泳ぐことを止めない
彼女に会うにはそれしか方法がないのだから 泳ぐことを止めたら彼女には会えない
やがてシモンは彼の強く一途な想いに触れ 関わりを断つことができなくなり
難民ほう助の疑いで当局にマークされ度々の尋問を受ける

フィリップ・リオレ監督は主人公に多くを語らせない
行為のすべてが雄弁に 言葉以上に熱を帯び
人の心を動かすことをよく知っている

ビラルとシモンの心の機微が重なっていくごとに
そこここにある問題を私たちがどう受け止めるべきか考えさせられる

その距離とは実質の距離とは違う
国と国との距離であり民族と民族の距離ともいえる
移民を産む国も移民を受け入れてきた国にも 問題は山積
生まれを不幸と運命を呪うのか それも違う気がする

また個人の人生に照らし合わせても
情熱の矛先 持続 喪失 について感じることがある
純粋なものに触れ照らされたそれは もはや再生不可能な過去のものなのか
身近にいていつも触れ合える存在さえも手放してしまう現実
恵まれているのに気が付かない それを贅沢と片づけていいのか それも違う気がする

切ない・・・
またしてもこの監督にそう感じさせられたところで
エンドロール
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この記事のコメント
#68 マクビール様
マクビール様
私もblogお休み中はイロイロありました。
イロイロあるのが人生ですが映画には随分助けられた気がします☆
マクビールさんのblogも拝見しております♪
またコメント入れさせていただきますね(*^^)v
2012-02-12 Sun 20:21 | URL | sautet #-[ 内容変更] | top↑
#67
こんばんは!
またsautetさんのレビューを読むことが出来て本当に嬉しいです^^
今年は良い年になりそうです(笑)

この映画は、ある映画をレンタルしてきた時の予告編に入っていて、絶対観よう!と、自分のリストに載せておいたものでした。


実は私がブログから離れていた間、実生活の方がかなりヘビーだったのですが、その間、宗教や移民などの問題はかなり近いところにもあって、以前にも増してこういった映画をとても近く感じるようになりました。

フランスという国自体、移民問題を大いに抱えているでしょうし、こういったものをテーマにしている映画もよく見かけますね。ただ、sautetさんも書かれていらっしゃいますが
それを政治レベルの話ではなく個人の視点からも考えられる物語だからこそ、観る側の心にもしっとりと残すものがあるんでしょうね・・・・

この映画、観たらまたご報告に参りますね!

2012-02-12 Sun 20:09 | URL | マクビール #mHZ/BfkA[ 内容変更] | top↑
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