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CYRANO DE BERGERAC シラノ・ド・ベルジュラック
2006-12-16 Sat 22:58
16年前
3人の男女の物語にして
これほど叙情的で
これほど文学的で
こんなにも切なく
時代を超えて想いをはせることのできる物語があったなんて
と、
この映画に感動したことを今でも覚えている

シラノ
孤高の天才詩人であり哲学者
権力に立ち向かう正義感の持ち主
その上 剣は一流
連隊の隊長である彼の帽子には
志の象徴であるかのように
凛とした羽飾りが風になびいている

ただ彼には唯一にして最大のコンプレックスがある
それは異様に大きく巨大化した彼自身の鼻

ロクサーヌ
美しく可憐であり
シラノが秘かに想いを寄せる愛の象徴
それを知らない彼女はシラノを兄と慕い
自身の恋の相談を始める

クリスチャン
ロクサーヌが想いを寄せる容姿端麗な青年
クリスチャンもまたロクサーヌに恋をしている
ただ端正な容姿とは別に
驚くほど恋に奥手で不器用
ラブレターの一通も 気持ちを伝える美しい言葉の一つも
自ら発することができない

シラノは愛するロクサーヌの為
二人の仲をとりもとうと紛争する
戦地に赴くも勇ましく戦い
隊長として連隊を指揮
隊員の一人でもあるクリスチャンを庇いながら
彼の変わりにラブレターを代筆する

敵軍を交わしながら手紙を届け
ロクサーヌへの愛の言葉を送り続ける

命がけで届けられるその手紙
それはシラノの気持ちそのものである
しかしそれはクリスチャンの名で送られる
シラノの言葉にして彼の手紙ではない

シラノの魂は気高く美しい

彼の体は大きく豪快で自身に満ち溢れている
剣さばきも巧みで右に出るものはいない
権力に立ち向かう糧は
友情と己の強い精神 そして揺ぎ無い哲学にある
そんな彼がひとたび筆を握れば
溢れ出す 詩的で美しい言葉の数々

劇中 シラノを演じるジェラール・ドパルデュー
彼の作品は相当数観ているけれど
この役以上に彼を賛美できるものがない
私の中のシラノは彼しかいない

私はこの映画、そして小説のラストシーンを
とにかく気に入っている

薄暗い景色の中 
シラノは独白する
最期の力を振り絞って発する自らの誇り
そしてそれを見守る間に
真実を知り
暗闇から光を見出すようなロクサーヌの表情

瀕死の状態の中立ち上がり
暗闇に向かって剣を振りかざす
彼は死という最後の敵に立ち向かう

その暗闇の中で彼が見たものは
今まで彼が戦ってきた
偏見 卑怯 虚偽の亡者 
それらが崇高な魂を奪い取ろうと襲ってくる
彼は朦朧とする意識の中
あるだけの力を振り絞り それらと戦っているのだ

彼は車輪のように剣を振りかざし
こう叫ぶ
「貴様達は俺のものを皆奪る気だな、桂の冠もバラの花も!
 さあ奪れ!だがなお気の毒だが、貴様達にはどうしたって奪りきれぬ
 いいものを、俺はあの世に持っていくのだ。
 それも今夜だ、俺の永遠の幸福で蒼空の道、広々と掃き清め、
 紙のふところに入る道すがら、はばかりながら皺一つ
 汚点一つつけずに持っていくのだ、他でもない、それは・・・・・」

ロクサーヌが「それは?」と聞き返す

シラノ最期の言葉にして
彼の生き方

「私の羽飾り(こころいき)だ」

*台詞は岩波文庫シラノ・ド・ベルジュラックより引用

siranosirano

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