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THE WINSLOW BOY 5シリングの真実
2007-05-14 Mon 21:45
55
裁判シーンが一つもないけれど
正しいことが証明される映画

ジェレミー・ノーサム演じる凄腕弁護士ノートン卿でさえ
熱弁一つ奮わない
アメリカ映画の裁判法廷物のように
陪審員への駆け引きも
幾たびもの証拠発見に伴うどんでん返しも一切なし

何人もの証人や証言も登場しない
強持ての敵役も
賄賂も取引もない
真犯人が誰かなんて火曜サスペンスもなし

物語は
海軍士官学校?に入った優秀な14歳の少年が
たった5シリングを盗んだ罪で
退校処分になるところから始まる

*続きは追伸をご覧ください↓
彼の無実を信じる家族
その姿でさえ少年の汚名をはらすために
執念をもやす怒りの家族の姿ではない

そこに示されているのは
もはや正義と言う名の仰々しい使命ではなく
正しいことが正しく成されていない
その根本的な権利を侵されることに対しての主張
それが国家権力であろうとなかろうとも
主張する権利があるのだから

それは
人はこんなふうに
静かに強く信念を持って
世に何かを問うことができるのだと
気づかされるような演出

この作品に対し
物足りない!と言う人は多いと思う
勧善懲悪的 爽快感 は望めない
勝つか負けるかのスリリングなハイテンションが
どこにも見当たらないから

少年は聞かれたら「盗んでいない」とそう答える
けれど「無実をはらしたいんだ!」と拳を握り締め
赤裸々に当時を語ったり訴えたりはしない

父親は一度だけ息子に聞く
たった一度だけ
嘘は見抜けるから正直に答えなさいと前置きをして
「盗んだのか?」と
それからの父親は 収入の半分を費やし
息子の無実を信じきる
そこに葛藤はあるものの 息子に対しての疑念など微塵もなく
ただ静かに行く末を見守り
正しいことが成されるのを待っている

娘は活動的な女性で
弟の汚名がはらされないわけがないと信じている
婚約を破談にされてもうろたえることなく淡々と
声高に何かを叫ぶこともなく
まるで世の中で間違っていることが
正されることの成り行きを見守るよう

なすべきことをなし
なされるべきことがなされる

信じて疑わない強さが
物語を静かに牽引している

弁護士であるノートン卿を演じるジェレミー・ノーサムの演技
派手な立ち回りも 過剰な演説も一切なく
台詞さえそんなに多くないのに
彼が奔走し尽力をつくし
冷淡といわれる世評とは逆に
情熱的な一人の男性であることが容易に想像できる

多くのシーンが観ている人のイマジネーションの世界に潜んでいて
表には出てこない
でも確かにイメージの世界では
法廷のシーンがあり
ノートン卿の情熱があり
その情熱の根源が娘である彼女にあることが
そこはかとなく漂ってくるのだから素晴らしい

CGもいらない
爆破や殺人のシーンも必要ない
ただそこに
素晴らしい演技と 素晴らしい台詞
そして

正しいことが成される 
この当たり前のような奇跡が
そこにあればいいのだと思った

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